農作物被害防止のため捕獲された鳥獣を食用に活用しようと、国や全国の自治体がジビエ振興を図っています。食品として安全に流通する仕組みも整ってきました。どのように肉を生み出しているのか、長野県の食肉処理施設を訪ねました。

写真・図版
シカの食肉処理をする戸井口裕貴さん=長野県富士見町の信州富士見高原ファーム

 長野県の南東、山梨との県境にある富士見町。標高千メートル前後に位置する高原の町に、ジビエの食肉処理施設「信州富士見高原ファーム」がある。

 2014年から稼働を開始、年間にシカ約600頭を扱う。ジビエ処理加工施設としては全国でも大きい方だ。

 代表の戸井口裕貴さん(44)に食肉処理のデモンストレーションを見せてもらった。すべて手作業で進める。

 シカは、絶命し放血された状…

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